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きちんと読む「連続はてな小説」第2章「父の死」

きちんと読む「連続はてな小説」第2章「父の死」

それは、ある夏の夜の出来事だった。

私は窓をあけ、夜風に当たりながら、月を見ていた。

味噌汁、飲みたいな」

するとその時、唐突も無くチャイムが。

何だろうと思って出た私を迎えたのは、若い郵便局員だった。

「どうも、遅くまでお疲れ様です。」

とは言いながらも、「こんな時間非常識だな」と心で思いながら印鑑を押す。

差出人の欄に目をやると、どこか見覚えのある懐かしい字体でこう書かれていた。

「チチキトク スグカエレ」

僕はすぐに、一階の父親がいつもいる居間に行った。

「親父!どうしてそんな格好をしてるんだ!」

「にゃあ」(あれ?声が…。)

初めての自分の父を「可愛い」と思った…

「あなた、どうしたの?」

そう言って、台所から母が来た。

親父は親父に間違いないように見えるが、しかしやはりどう見ても猫だった。

母親はその違和感さえも感じてないように見える。

母は言った。「また出ちゃったのね。猫格が。」

――音楽が聞こえる。

ふと、父のPCを見ると、見慣れないサイトが開かれていた。

デザインもへったくれも無い、小説サイトのようだった。

http://cp.rdy.jp/hatenanovel.html

それはそれとして、この父の有様は何だ……?

今の現状を一言で表すなら「あの喫茶店」「そう、あの喫茶店だ」

気がつくと私は終電間際の電車に乗り、会社のある街へと向かっていた。

学生のころ入り浸ってた喫茶店

店の名前は英語で[ジュテ〜ム]そう、どすこい喫茶だ。

俺はいつもここで決まったモノをオーダーする。

それは半年前、あの不思議喫茶店で出された「いつものやつ」。

なんだったかな?

そう、ナンだった。意外と味噌汁ナンの相性はいい。

そこで今日ナンサフランライスくるみ味噌汁をアテに食べることにした。

しかし、いざ喫茶店に辿り着くとシャッターが下りている。

張り紙には「にゃはははは」「なめこがたりないにゃー」 と、書かれていた。

しかたなく踵を返して元の道を戻ろうとしたところへ「おひさしぶりです」

聞き覚えのある声だった。

なめこを山ほど抱えた大きな猫がちょうど戻ってきた。

「なめこを取りに長野まで行ってたにゃー」

「…はは…長野ですか…」

引きつった笑いを浮かべながら、猫に続いて店内に入る。

中には父がいた。

「久しぶり。淳也」

やれやれ。生き別れの父は、「やあ」と一言加えた。

彼はなめこ抜きの豆腐味噌汁を肴にビールをやっていた。

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